校庭にけたたましいバイクのエンジン音が鳴り響いた。それも一台や二台どころの話じゃない。ざっと数えても二十台はいる。
いきなりの出来事に唖然とする。
桜たちと顔を見合わせて、外へ出た。
「おい、桜泉‼︎出てこい‼︎」
先頭にいる男に名前を呼ばれた。眉間にシワを寄せる。
「昨日は後輩を可愛がってくれたみたいじゃねぇーか‼︎‼︎」
その男の後ろにいる顔がアザだらけの男が数名。見覚えはないが、たぶん昨日デスロードであたしがボコボコにした相手だろう。
「おい、アレ、竜王会のやつらじゃね……?」
「竜王会?」
遥の言葉に思わず聞き返す。
竜王会はここらへんのワルで名前を知らないやつはいないほどの暴走族軍団だ。
腕に紫色のブレスレットをつけていて、竜王会を敵に回したくないやつはそれを見て喧嘩を避けるほどだ。
昨日のあたしはそれを見落としていたのかもしれない。
「お前、なにしたんだよ」
涼の言葉に、口をつぐむ。