朝、帰宅してシャワーを浴びた。
心に残ったひとつの涼への想いだけが熱を帯びていた。
眠気は来なくてそのまま学校へ向かった。


認めてしまっけれど、誰にも言うべきじゃないことはわかっている。


涼にも、柊にも、言うべきじゃない。


秘めて、これまで通り柊のそばにいよう。


そしたらすべて丸くおさまる。


あたしは柊が、好き。それでいい。


涼への気持ちは押し殺していけばいいんだ。大丈夫。簡単だ。口にしなければいい。


自分だけの秘密として過ごしていればいいんだ。



「おはよ」



下駄箱で靴を履き替えていると、桜の3人がいた。涼を見て早くなる心臓の動きは表情や行動に出ないように最大限に配慮した。


昨日喧嘩で使い古した両手はポケットに入れて隠した。


と、その時だった。