俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



すごく、綺麗な子だ。


長い茶色の髪は斜めに分けられていて。
他のワルの女とは一味違う雰囲気を持った女。



「沙羅」



前の席の女子にそう呼ばれた彼女はあたしから視線を外して前を向く。


さら、って言うのか。

……名前まで美人。


あたしとは人種が違うようだ。



「よぉーしっ!戦争を知らねぇ泉に俺が戦争を教えて――」


「時間がないから座って、桜崎くん」



勢いよく立ち上がった遥にニッコリ微笑みながら言った京子ちゃん。


シュンと大人しく座る遥にみんな笑う。


……でさ。

結局、戦争ってなにさ?