俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。








「しかし柊の泉への愛はすげぇーな」


「え?」



昼休み。柊がトイレへ行った時、そう言いだしたのは遥だった。


どうしたの、急に。



「でもまぁ、柊の言いぶんは正しいからな?」


「な、なんだよ、遥まで」


「泉は女の子だっつってんだよ」



遥が綺麗な目をあたしに向けながら言ったので、思わず口をつぐむ。


いきなりなんなのさ。



「まあ確かに、無駄にケンカすんなよ、あぶねーから」


「涼」



後ろで話を聞いていた涼があたしの頭にポンと手を置いた。

なんでもないような仕草なのに、あたしの頬がすこし熱を帯びるのがわかる。



「俺たちが守ってやるから」


「……っ……」



涼が優しく笑う。

涼って、そんな柔らかく笑うやつだったっけ?