俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。




「ふふふ、雅くんそんなに怒ると眉間にシワができるよ?」


「なっ……!」



天真爛漫に雅の目の前に顔を出したのは里佳だった。
それを見た雅の恐ろしさを知るあたしと涼と遥の3人は目を見開く。


里佳!?

あんた、雅に突っかかるなんて何者!?



「里佳ちゃん」


「ん?なにぃ?」


「そのクマさん可愛いね?」


「でしょー!」


「……うん、ズタボロにしたいぐらい」



ヤバい。

雅のやつ、完全にスイッチ入ってる。


恐る恐る理佳の反応を見ると、不思議そうに首をかしげている里佳。



「んー?それってどういう意味?褒めてるの?それとも怒ってる?」


「里佳ちゃんが褒めてると思うなら褒めてるんじゃない」


「そっか!なら褒めてるんだね!」



……なぜそうなる。


ふたりの会話に心の中で突っ込みながらも、里佳が鈍感なヤツでよかったと心から思った。