「バカ泉。そう簡単に縁切らせるか」



遥が言う。



「泉ちゃんも本当に学習しないね。ま、嫌いじゃないけど」



雅が八重歯を見せて笑う。


カーテンを揺らす4月の風。
窓の外からは綺麗な桜の木が見える。


……ちょっとだけだけど後悔した。


本当のことを言う前に、桜達の前から姿を消したこと。


わかってたはずなのに。

桜達の優しさ。



「泉……本音を言えよ」



涼の言葉にうつむいていた顔をあげた。


少しだけ、ほんの少し。

信じる力が足りなかった。



「……たい」



ーーただただ、ごめん。



「戻りたい!みんなの仲間に……‼︎」



ぐっと握りしめた拳にチカラを込めて叫んだ。

これがあたしの本音だった。


ウソ、偽りのない、言葉。



「やっとだ……っ」



……涼?どうしたの?


涼の目が涙目になってるのは、気のせいだろうか?