「泉、先に帰ってるけどなんかあったら電話してね?」
「ありがとう、里佳。ワケわかんないと思うから柊と香に聞いといて」
高校生になって初めての放課後。
里佳には〝桜〟のことを話したことが無かったから、きっと何も状況を掴めてないはず。
3人に別れを告げ、かつての仲間たちに向き合う。
静かな昼下がりの教室には桜の3人と私だけ。
「何から話そうかな」
窓から空を見上げる涼と、机の上に座る遥と雅に歩み寄る。
どこから話そう。どこから、謝ろう。
わかんない。
「ゆっくりでいいからな」
遥……。
「急いでないしね」
雅も……。
「相変わらず優しいね、みんな」
だからあたしの中の罪意識が大きくなる。
どんどん心が
しぼんでいくような気分になる。
苦しい。



