本当は再会することが怖かった。

ずっと脅えて来た。


だってあたしは桜達を
騙して、裏切ってたんだから。


でもさっきの…―――



『久しぶりだな』



優しい、涼の目と声。


全てを諭したかのような、
全てを許したかのような、


涼の心が見えた気がしたんだよ。


だから本当のことを話そう。

嘘、偽りなく。



「桜」



柊……。



「行こう」



柊の温かい声。



「うん」



…なんでだろう。

柊の優しさがチクチクするのは。


あたしはちゃんと柊を好きになったよ。

涼のことなんか忘れてたのに。


……のに。


会っちゃったら、全部思い出した。


消した想いも。

膨らませた想いも。


淡い、青春の日々も――――…