俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



顔面を食らって倒れた先輩が起き上がり、泉に向かってバットを振り上げる。


……そうはさせるか。



「ぐはっ……ぁっ」


「女相手にバットは卑怯じゃないっすか、先輩」



ヤツのみぞおちに渾身のパンチをお見舞いしてやった。


倒れた仲間を見て、他の先輩達が駆け寄って来る。



「しゃーない、やるか」


「俺もやる♪」



遥と香が俺と泉の横に並ぶ。


……久しぶりに桜集結ってとこかな。

普通にワクワクする。



「おらぁ!」



バットを降り下ろしたところで泉が手首を蹴り、相手の先輩はバットを落とした。


最後に俺が顔を殴ってノックアウト。


遥と雅の方を見ると、既にそれぞれ1人ずつ倒していた。



「くそっ、一年がぁ……っ」


「うっせーよ。この世界は下剋上で成り立ってんだ。とっとこ失せな」



そう言うと先輩達は舌打ちをして、痛む傷を押さえるように去って行った。