俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



階段を3階まで上がって左に行った突き当たりが俺達の教室。


この学校もガラの悪い奴等ばかりの学校のようだ。髪の毛がみんな奇抜で、個性豊か。


すれ違う面々がそれぞれ睨みをきかせながら歩いている。


……おもしれぇ。



「お、桜たち久しぶりだな~!」


「クロっ……ってまだ1ヶ月しか経ってねぇだろ」


「バカだなぁ遥。もう1ヶ月だろ?俺は寂しかったぜ?」



途中で会ったクロと話ながら廊下をよそ見して歩いていたからか、誰かとぶつかってしまった。


ーードンッ。



「あ、わりぃ」

「ごめっ……え?」



……え?


ぶつかった〝奴〟を見る。


蜂蜜色の長い髪。ぱっちりした丸い目にブルーの瞳。もしかしたらカラコンかもしれないが。


ブレザーのジャケットの襟元からは灰色のパーカーのフード部分が顔を出していて……。


その姿はまるで、2年前に見た


―――黄金の桜…?




「…涼……っ」