俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



「は? なんの冗談?」



口を引きつらせたように笑う雅が遥に詰め寄る。



「冗談なんかじゃねぇ。本当だ。俺見たんだ……っ」


「笑えねぇんだよ!ふざけんな!」


「おい、雅やめろっ!」



遥の胸ぐらを掴む雅を止める。


雅はダチ想いのイイ奴だから、どうしても遥の言葉にムカついてしまうんだろう。


……俺だって、そうだ。


泉が女だって信じられる訳がない。

でも、遥がそんなしょうもない嘘をつくはずもない。



「とりあえず行ってみよう」



行ってみれば分かる。この『桜 泉』が本当に泉なのか。


そいつも1組だから。