「バカ。それは女じゃん」 表は縦に名前が書かれてあって。右に女子の名前が、左には男子の名前が書かれてある。 その『桜 泉』は右側に書かれてあるから、女なんだろう。 「ちげぇんだって!あいつは!……その」 言いづらそうに顔を歪める遥。 それに雅がイライラしているようだ。 「ハッキリ、言えよ。な?」 そう言ったのは、俺。 遥はチラッと俺を見ると口を開いた。 「泉は……女なんだよ」 ―――また、桜がひらりと舞った。 風は、優しく、悲しげに駆け抜ける。 ただただ、驚きの一言だった。