下駄だけどヤれるかな?と心配しながら男を睨み付けた時だった。
「おい」
あたしの肩を抱く
男の手を、柊が掴んだのは。
柊……
こんな暑い中、走って来たの?
汗をかいて肩で息をしている柊の逞しい背中を見つめる。
「な~んだ、彼氏いんのかよ。彼氏持ちにはキョーミねぇわ」
そう言ってアッサリ身を引いた男達は本当に興味なさげに去って行った。
彼氏じゃないけど……
「桜、さっきも言ったけどさ……」
「分かってるって。…でも、本当に助けは要らないよ?」
男より強い女ってのも、女としては嫌だけれど。自分の身くらい自分で守れる。
それは、いけないこと?



