俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



「ハハッ。なに言ってんの柊。泉は僕等より遥かに強いんだから」


「そうだよ、柊。柊、頭おかしくなっちゃった~?」



香と里佳があたし達を笑わせようとするが、笑えない。


空気が重い。


無言の空気が辛くて、なんとなく限界が来た時だった。


――…突然、それはやって来た。



「ケンカだぁ!」



条件反射で声のした方を見た。


目に映った光景、人物に

……あたしは度肝を抜かれた。


うそ……!



「…り………」



名前さえ、すんなり言えない。


どうして。

どうして。

どうして。


そればかりが頭を渦巻く。