俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



ポカンとした里佳と顔を見合わせる。


……ん? って、言うか。



「あいつら!金払わずに行きやがった!」



―――――――…
―――――…
――――…



集合時間の5時になった。


あたしと里佳はブスッとした顔で駅前のベンチに座り、バカ2人を見ていた。



「あんた達イイ根性してるわ~。尊敬するよ、マジで」


「「恐縮デス……」」


「誉めてねぇーわ、アホ」



はぁ、とため息を吐くと立ち上がる。



「2人共知ってるよね。あたしが怒るとどれだけ怖いか」



2人の背後に回り、2人の首に自分の両手をガッと回す。


…と同時にビクッと跳ねる2人の肩。



「夏祭りの財布になってもらうから」


「「了解デス…!」」