俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



ゴメンとなだめても聞かないのが里佳だ。


仕方なく柊と香に助けを求めた。



「花火大会?」


「そ。里佳はみんなで花火大会に行きたかったんだよねっ?」



小さい子相手に話しかけるように言ったのはオレンジ頭の香。


それに里佳はゆっくりうなずいた。



「いつ?」


「今日」


「はっ!?」



短い質問に短い答えをくれたのは柊。
その答えに吹き出しそうになった。


……今日!?



「だから今から解散して駅に5時に〝浴衣〟で集合な」



浴衣を強調されても……。


ニッと笑った香は立ち上がると「お先~」と店を出て行った。


そしてそれを追いかけるように「可愛い浴衣姿期待してる」と柊があたし達2人を見て店を出た。