結局、そのことを誰にも聞けないまま時間だけが過ぎて夏休みに入った。
まだそんなに絆が固いわけじゃないと言われてるみたいで、なんだか情けないけど。
里佳の背中が聞かないでって言ってるのがわかるから。
でも余計に気になるのも確かで……
「――ねっ?行くでしょ?」
いきなり顔を覗いて来た里佳にビックリして肩が跳ねた。
そういえば香と柊と里佳の4人でファミレスに来てたんだっけ。
曖昧に笑いながら無意味にくわえてたストローを離してコーラ入りのグラスをテーブルに置いた。
い、行くでしょって……
「どこに?」
「もーっ、やっぱり聞いてなかった…!」
プンとすねたように腕を組む里佳。



