「おーい、お前等さぁ泉の転校先とか知らねぇ?」



放課後、サットンと入れ違いに遥が黒板の前に立ってみんなに呼びかけた。


それにみんなが顔を見合わせる。



「知らねぇなぁ」


「俺も」
「俺も……」

「あたしも知らない」



みんなが口々に呟く。


そうか……。

そうだよな……。


俺達が知らねぇ事を知ってるわけないか。



「やっぱさ、泉が居ねぇとつまんねぇよなー……」



ポツリ、と誰かが呟いた。

しんみりとした雰囲気。


黙って行ったからか、心の穴が余計に広く感じるんだよな。