おそらく、見た目からして小渕さんは30代前半か後半ぐらい。
30代の中年おじさんと中学二年生の俺等。
追いかけっこをして勝つのは、当たり前に若くて体力もありあまっている俺達の方だ。
「楽勝!」
しばらく走って俺達は立ち止まった。
後ろを振り返っても小渕さんは居ない。
「あーあ、邪魔が入ったな……」
「続きはまた今度にしようぜ」
涼しげに汗を拭う泉に言った。
「チッ、絶対俺が勝ってたのに……」
「本気?」
「本気」
……なめんな。
お前には負けねぇよ、絶対。
「もうさ泉、仲間になんない?」
遥がめんどくさそうに泉に言った。