里佳にそっと微笑むと、里佳も僕にうなずいて笑いかけてくれた。
泉と柊が残りの2人に詰め寄る。
「お、おい…行くぞ」
集団のリーダー的な存在の男がそう言うと、逃げるように去って行った。
安心から、身体のチカラが抜ける。
「香!」
それらを見送った後、泉が僕の名前を呼んで駆け寄って来た。
それに柊と里佳が続く。
「大丈夫か!?」
「……なんとか」
僕の返答に泉が安堵のため息をもらした。
「傷つけて、ごめん。やっぱり香はあたしのダチだ」
「………」
「誰も傷つけたくなくて、自分も傷つきたくなくて。だったら最初から繋がりを作らなければいいって、香をわざと突き放した」