――…幻聴かと思った。
閉じた目を開けたら、僕を囲っていた男の1人が倒れて。また1人倒れた。
「い……ずみ……?」
……眩しい。
太陽が彼女と僕の視線の直線上にあって、まるで彼女が太陽のよう。眩しい。
「あたしの〝ダチ〟をこんなにしたオトシマエ、つけさせてもらおうか」
泉……?
怖い顔をした泉が僕をとり囲んでいた男たちに睨みをきかせる。
「ぐはっ…!!」
そのうめき声を出したのは、まだ泉に倒されていなかった男の内の1人だ。
倒したのは……
「しゅ……う……?」
そう。
柊が男に飛び蹴りをしたからだった。
そんな柊の後ろに目を赤くして僕を見ている里佳がクマのぬいぐるみとケータイを持って立っている。
里佳が呼んだのか……。