バランスを崩しかけた僕の耳に、里佳の短い悲鳴が入って来た。 里佳が心配して駆け寄って来る。 「来るな!」 大声を出すと、里佳はクマのぬいぐるみをグッとお腹で抱いて立ち止まる。 里佳は巻き込まない。 これは僕が仕掛けたケンカだから。 そう考えた時に、ふと思った。 『ケンカを売られたのはあたしだ!手助けなんて要らねぇんだよっ』 さっきの泉も、 こんなキモチだったのかな? ……違うか。 だって、僕は泉のダチじゃないもんね。 ……笑える。