「あはははっ」 不意に無邪気に笑う泉が目に入った。 先ほどの表情からは想像できないような純粋な笑顔。 お前もそんな顔すんだ。 胸がドキリとしたのは、黄金の桜に似ているからだと自分でもわかる。 黄金の桜も笑えばこんな顔すんのかな……。 「うわ!また来た!」 「しつけぇなっ、小渕さん!」 階段の方から回って来たのか。小渕さんが走ってやって来た。 「逃げるぞっ」 俺の声にみんながうなずいて走り出す。