≪―香side―≫
泉は僕にとって、本当に特別な人。
僕を変えて、救ってくれた人だから。
泉が女だろうが、男だろうが関係ないって思ったんだよ。
どっちにしろ、
僕は泉に凄く感謝してる。
自分さえ良ければそれでよかった僕に、仲間の大切さを教えてくれたのは泉だ。
僕の考え方を一瞬で変えて、あんな酷いことをした僕をダチだと言ってくれた。
なのに―――…
『ケンカを売られたのはあたしだ!手助けなんて要らねぇんだよっ』
その拒絶の言葉は僕の胸を鋭く突いたと同時に、びっくりした。
――…僕の知ってる泉じゃない。



