「どうしてそこまで……」
「桜が香を変えてくれたから俺にも仲間ができた。だから俺も、桜に救われたも同然なんだよ」
胸が最高に切なくなった。
……それなら。あたしは涼達に救われたのだから香も柊も…涼達に救われたんだよ。
そうでしょう?
あたしがもう一度〝仲間〟を信じようと思ったのは涼達のおかげだ。
涼達に救われてなかったら、香を救うこともできなかったし。
香も、柊を救うことはなかった。
――もしかして柊は今、あたしを救おうとしてくれてる……?
「柊、あたし……」
その時。あたしのケータイではない、柊のケータイの着信音が鳴り響いた。
柊はあたしに目配せをしてからケータイをポケットから取り出して、耳に当てる。



