俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



「……なに、それ」



眉間にシワを寄せるのは香。


怒り、よりも、悲しみが伝わって来る。



「手助けは要らないってどうゆう意味……?」


「そのまんまの意味だけど?」



傷つくくらいなら。

傷つけるくらいなら。


仲間はつくらない。いらない。


絆なんて、
最初からなければ裏切りも傷もない。



「僕は君の……泉のダチだ。それなのに、僕は泉を助けちゃ駄目なの?泉を殴られて怒るのはおかしいこと?」


「………」


「っ……泉にとって僕はなに?ダチじゃないの?…黙ってちゃ分からないよっ」



香は……

何も分かってない。