汚い、あたしの手。
何人もの血が混ざって染められた手。
そんなもの、
おばあちゃんには見せられない。
「泉。大丈夫よ?」
「え?」
目を見開くとおばあちゃんが笑った。
「シャワー浴びて、早く学校行きなさい」
そう言うと、おばあちゃんはあたしの部屋から出て行った。
……ねぇ、おばあちゃん?
何が大丈夫なの?
聞きたかったけど、臆病なあたしはどうしても聞けなくて。
時計を見ると短い針が9を指していて、もう既に遅刻。
今日、休も……。
そう思い、もう一度眠りに入った。
あっちは戦争でもしてんのかな……



