あたしは軽く笑って香に別れを告げた。
――そして、あたしが家に帰り着いたのは早朝だった。
朝日が登り終えた頃のあたしの手は、それはそれは悲惨なもの。
力が全然入らなくて、軽く震えていた。
……何人とケンカしたんだろう。
ベッドに寝そべりながら数えていると、眠くなったあたしは数えきることなく意識を手放した。
◇
「泉、起きなさい」
おばあちゃんの優しい声が聞こえて、目をうっすら開けるとおばあちゃんがあたしを見ながら微笑んでいた。
おばあちゃんの笑顔を見ると、こっちまで自然と笑顔になる。
でも、不意に目の前に置かれた自分の手が視界に入り、咄嗟に隠した。



