「ダチに裏切られてさ、それまでの自分捨てるのに他に道が思いつかなくて……くだらない理由だよね」
そのくだらない理由が、みんなを傷つける理由にもなってる。
できる事なら一年前に戻りたい。
けれど、桜と出逢えたことはあたしの人生の宝物だから…―――。
後悔なんてしてないと、思いたい。
「それ、雅達は知ってるの?」
「知らない。何も言わずに逃げて来たから」
そう言うと香は
その場にしゃがみ込んだ。
あたしはそんな香を見下ろす。
「泉はどうしたい?僕にどうしてほしい?」
「?」
香の言いたいことが分からない。