無言のまましばらく歩いて静寂に包まれた空間に辿り着いた。
ゆっくり離された手。
「説明して……?」
優しいトーンで言われて、観念したあたしは被っていたフードを脱いだ。
真っ直ぐ香を見る。
……もう、誤魔化せない。
「本当は俺………ううん、あたし本当は女なんだ。男じゃない」
「………」
「一年前までここから近い所に住んでて……それで、黄金の桜って呼ばれてた」
じっと地面を見て、唇を噛み締める。
真実を知った今、
香はあたしをどう思う……?
「どうして男のフリなんか……」
戸惑いの色を隠しきれてない香の表情。
香も、また、傷つけた。