「俺達の出番か」
次は男達があたしを囲った。ざっと数えただけで10人は確実に居る。
……来てない奴も居るのか。
それになんだかホッとした。まともな奴も居るんだと分かったから。
「俺達さぁ、お前のこと嫌いなのよ」
「だから明日から学校に来ないでほしいわけ」
あたしに目線を合わせながら2人の男が近づいて来た。
「安心して。あたしもアンタ達のこと大嫌いだから」
「あ?」
「そのネジ曲がった根性、あたしが叩き直してあげる」
……先手必勝。近くに居た男2人を連続で殴って蹴り飛ばすとそれが戦いの合図になった。
血に染まっていく手に感覚が無くなっていく中、あたしは必死に浮かんで来る桜との思い出を消していく。
――…思い出したくない。
戻りたくなるから。