俺も蹴りを入れるが綺麗には決まらない。
こんな決まり方じゃ意味がまるでない。
……ダメージを食らわせねぇーと。
その時、泉が俺のみぞおちをジャストで狙って蹴りを入れて来た。
それを今度は避けずに、受け止める。
泉の右足をガッチリ掴んで離さない。
やつの動きが一瞬止まった。
―――今だ。
泉が"しまった"と顔を歪めたが遅い。
その一瞬を狙っていた俺は泉の綺麗な顔に拳を思い切り突き出した。
クリーンヒット!
泉はよろけながら後ろに後ずさった。
綺麗な唇の端に血が滲んでいる。
その血を泉は手の甲で拭き取った。



