俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



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午後6時。あたしはクラスメイトに指定された場所の入り口に来ていた。


10年前までこの門の先には〝裏〟の店がたくさん立ち並んでいて〝裏の商店街〟と呼ばれていた。


10年前に一斉検挙されてからは、すっかり音沙汰がなかったこの場所。


でも、今は―――…



「ちょっと待った…!!」



門の扉に手をかけた瞬間、後ろから聞こえて来た声。


後ろを振り向くとそこには灰色の髪の、前髪だけをピンで止めた男が居て。


たしか同じクラスだった。



「その先は行かない方がいい。だって…」


「デスロードだから、でしょ?」



死の道。


裏の商店街と呼ばれていた道は、今やケンカに飢えた不良達のたまり場と化していた。


ケンカをしたかったらここに来い、そう言われるほどの場所。