俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。





始業式も終わり、あたしは学校を出る。


校門を通り抜けた時「ねぇ待って」と呼び止められた。


振り返ると同じクラスの名前は覚えてない男女数人が居て。



「なに?」


「今日の6時にさ、ここに来てよ」



手渡されたのは、目的地までの道筋が書かれてあるノートの切れ端。


ここ……



「クラス全員で君の歓迎会するからさ」



あたしの肩に男がポンッと手を乗せて、みんなが去って行った。


地図を黙視する。

……〝歓迎会〟ねぇ。


軽くため息を吐いて地図をポケットの中に入れたその時。


解約しようと思っていたケータイの着信音が、誰も居ない校門前に響いた。


ドクンッ―――…


ケータイのディスプレイに映し出されている名前に胸が鳴った。