「うざ」
そのあたしの呟きにキレたのか、さっきの茶髪男があたしに近づいてセーラーの襟を掴んで来た。
睨まれても怖くない。
「あんまなめてっと、女でも容赦しないよ?」
優しい声のトーンでわざとらしく言った彼に笑って見せる。
「どうぞ、お好きなように?」
セーラーの襟を掴む薄汚い男の右手を左手で力強く握る。
痛みに顔を歪めた男。男の右手がゆっくりセーラー服を手放した。
それにみんなが驚いたような顔を見せる。
……女だからってナメんな。
「…っ……」
男の手を投げるように離すと男がバランスを崩して倒れ込んだ。
そしてみんなの元に歩み寄ると、みんなが一斉に後退りをした。
「あんた、本物?」
「死んだって噂は嘘だったの……?」
手をポケットに突っ込んだ。
「さあ?知らない」



