俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。


ただ、一つ残念なのは髪が短いこと。


まぁ、しばらくしたら伸びるでしょ…?


足を一歩踏み出して鏡に近づいて、両手で同時に頬を叩いた。



――…ここから。


ここからまた
新しいあたしが始まるんだ。



桜達のことは忘れない。

だけど、

桜達に会うことはもう二度とない。



本当はいつまでも桜達と仲間でいたい。


笑いあっていたい。



だけど、あたしは女だから。
みんなを裏切っている。


それに、あたしは仲間以上に、涼の特別になりたいと願ってしまった。



あたしが男だったら良かったのに……。

そしたら純粋に桜達と仲間でいれたのに。