「あたし、今日ごはん要らない!」
お兄ちゃん達を、ひと睨みしてから自分の部屋に戻った。
全部、わかってる。今日、わかったの。
あたしは桜だけじゃなく、ここに引っ越して来てから関わった全ての人を
騙して、
裏切っている。
―――トントン…
「泉、入るよ?」
お父さんの声だ。
涙をパーカーの袖で拭う。
ガチャと、遠慮がちに入って来たお父さんからあたしは目を背ける。
「泉、なにかあったの?」
頭を横に二回、振った。
「そう……」
ベッドに座るあたしの横に座ったお父さんが頭を撫でて来た。
あたしはそれを拒む。
「お父さん、お願いがあるの」
「なに?」
「あのね…――――」



