俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



「ほんと、涼ってどっか抜けてるよね」


「うるせぇ」



教室を出て廊下に出た時に「おい」と呼び止められた。


……あ。こっちも忘れてた。



「俺を忘れんなよ」


「そうだったな……」



泉とヤりあうんだったな。



◇◇◇



桜の花びらがチラチラ落ちて来る。
そんな儚げな光景を俺はただ見つめる。



「こんなとこでタイマン……?」



泉がつぶやく。


ここは学校の近くにあるボロい神社。
神様が奉られているような場所で、ケンカのような野蛮なことをしていいのかは知らないが。


広いし、タイマンにはうってつけだ。