俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。




泉は「なんなんだこの教師」とでも言いたげに横目でサットンを見ている。


良かったな、泉。

……巻き込まれなくて。



「サットン、それより鬼嫁の方がやばいんじゃないの?」



雅が呆れながら言う。
するとサットンの顔は青ざめていく。



「………。よし、みんな始業式だ。体育館に行くぞっ」



パン!と手を叩いて言ったサットンの切り替えの早さに、俺は思わず吹き出す。


閉まった扉に迷いなく突っ込んで行くところを見ると、完全には切り替えられてねぇらしい。



「涼、行こうぜ!」



言ったのは遥だ。



「体育館に行くのか?」


「……なわけないじゃんっ。抜けようって言っただろ?」



雅が口を尖らせながら言った。


あぁ、そうだったな。忘れてた。