――次の日。
「何気、泉が一番ケガ少ないよなー」
「このケガが治ったら覚悟しておいてね、泉ちゃん♪」
口を尖らせる遥と、黒い笑顔でもの凄い問題発言をした雅。
遥は左腕を骨折。
雅は身体中にアザや擦り傷が。
涼も雅と同じ感じだが、涼は特に顔に傷が集中している感じ。
あたしは……
まあ、ほぼ無傷に近い。
あたしの場合は拳が、殴り過ぎで見た目も痛いし。実際にも痛い。
手の甲を見つめていると涼が肩であたしの肩を軽く押した。
分かってるって。
私はひとりじゃない。
だからもう泣かない。
……そうゆう意味で笑うと涼もポーカーフェイスを崩して笑ってくれた。
「あれって、香じゃね?」
遥が窓の外を指差しながら言った。
視線を向けると、校門近くの壁に寄りかかる香の姿が確かにあった。