「俺は、お前が怖くない」



背中に投げかけられた言葉が、ズドーンと胸をつらぬいた。


あたしが……

……怖くない?



「それに、お前が自分をおさえられなくなるってんなら、その時は、俺がお前を止める」



そんなの……


ただの、迷惑じゃん。

重荷じゃん。負担じゃん。



「そ……」


「それじゃダメか?」



有無を言わせない涼の目力。

あたしはゆっくり頭を横に振った。


涼は、本気だ。


本気で私のこと受け止めてくれているんだ。


フッと笑った涼はあたしの頭に手を置いて「帰ろうぜ」と、歩きだした。


ズズッと、鼻をすすって「うん!」と涼の背中を追いかける。


泣き虫だなって涼は言ったけど、こんな風に人前で泣くのは桜が初めてだ。




ありがとう、涼。