≪―泉side―≫
儚げで、でも芯のある瞳であたしを見たかと思ったら……。
なに馬鹿なこと言ってんだよ。
そう言ってやろうと思って、涼の顔を覗き込んだら……
涼の目は凄く真剣で。
涼の〝強さ〟を見たような気がしたんだ――…。
他人とは違う。
肝が据わってるって言うのかな。
とにかく次元が違うと思った。
さすが、うちの学校の頭。
器の大きさが違う。
「どいてろ」
そう胸を軽く押されて、
あたしは仕方なく後退った。
「いいの?」
香が涼に聞こえないように聞いて来た。
「良いわけないだろ。ま、いざとなれば俺が助けるけど」
「ふ~ん。頼りになるねぇ」
やっぱ双子だな。
どことなくSっ気がある……



