「馬鹿じゃねぇの? 負けた事を笑うようなそんな奴等、友達って言えねぇーし」
ごもっともだ。
でも、それでも佐久間は傷ついたんだ。
「しかも、こんなやり方間違ってる!負けて悔しかったんなら、強くなって正々堂々と勝負しろよっ」
「綺麗ごとじゃん」
「それでもアンタは汚すぎる」
これじゃ、埒(らち)が明かない。
泉の肩に手を置き、視線を交えてから泉の前に出て佐久間と対峙する。
「そんなに俺が憎いなら、好きなだけ殴っていいよ」
目を丸くさせたのは、きっと佐久間だけじゃないだろう。
やり方は汚くても、佐久間の気持ちがわからない訳じゃないから。



