俺の愛も絆も、全部お前にくれてやる。



その香の言葉は核心をついているが、佐久間を逆撫でする言葉でしかない。



「君が持ってないものを涼達は持ってるんだ」


「うるせぇよ。だから何だってんだ!」



工場内に響く叫び声。


心の、叫び声。



「俺は復讐してんだよっ!一年前の屈辱を今……。お前らに俺の気持ちがわかるか?わかんねぇよな。

あの日、俺が涼に負けた日。俺は全てを失ったんだ。それまで俺を〝強い〟と慕ってくれてた友達、後輩……全員が涼に負けた俺をあざ笑った。俺は馬鹿にされたんだよっ」


「それで涼に復讐を?」



泉が佐久間に言った。



「そうだ」