――キンッ!
ナイフが地面に落ちる音。
目の前に蜂蜜色の髪をした…――
「泉」
「待たせたな」
目の前に立つ泉に心底安心した。
俺に向かって走って来た佐久間の右手を素早く蹴りあげた泉。
そのおかげで投げ出された佐久間の右手からナイフが遠くへ飛んでいったんだ。
「ナイスタイミング」
「グットタイミングでしょ?」
どっちでも同じだろ。
ザッザッと足音が耳に入った。
後ろを振り向くと雅が居て。
「雅……無事だったのか」
「へ? あっははは!そうか、涼は知らないのか」
何をだ。
笑っている泉を、首を傾げて見つめる。



