10人はヤバいな……
持っていたカバンを投げ捨てる。
「オラァ゙!」
顔めがけてパンチをして来た男の拳を避ける。そいつを殴ろうとしたけれど次の刺客がそれを阻む。
ちっ……
避けるので精一杯だ。
どうするか……。
「いい眺めだな。涼が負けてるって……」
気持ち悪い笑みを浮かべながら、佐久間は高みの見物。
俺が嫌いなら
俺だけを傷つけろよ。
―――佐久間と初めて会ったのは、確か去年の今頃だった。
1つ年上の佐久間はここらで知らない奴は居ないほどの強い不良だったんだけど。
佐久間とタイマン張って
俺が勝ったんだ。



