「でも助けるって、どこ行く気?まさか、しらみ潰しに探すって言うんじゃないよね?」
「それは……」
雅の鋭い指摘に言葉が詰まる。
「佐久間の居場所なら僕が知ってる」
その声にバッと後ろを振り向く。
そこには壁に寄りかかりながら、あたし達を見つめる香が居た。
「多分、そこに涼も居ると思うから。案内する」
そう言った香に
「頼む」と、歩み寄った時。
「香、ありがとう」
雅が痛みに顔を歪ませながら、香にお礼の言葉を放った。
香は照れくさそうに口を尖らせる。
「別に雅のためじゃない。こんな僕をダチだって言ってくれたダチのためにやるんだ」
勘違いしないで、と言った香だけど、きっと雅のためでもあるんじゃないかな。
「よし、行こう!案内してくれ」
「うん」
そして、あたし達は向かった。
仲間のところへ。



