確実に1人って……
……そうか。そういうことか。
この前、涼を襲った時はあたしが助けた。
そして、涼はいつも桜の誰かと一緒に居る。
―――それじゃ、誰かに邪魔をされて確実に涼を狙えない。
だから、涼をあたし達から遠ざける必要があったんだ。
……と、いう事は。
「――涼が危ない!」
そう言ったのはあたしじゃなくて雅だった。
クソッ……!
マジで卑怯な奴だな!
男の風上にも置けない男だ。
虫酸が走る。
「俺が涼を助けに行く。2人は病院に」
「俺達も行く!」
「そんな体でどうやって戦うんだよっ」
遥に一喝すると悔しそうにケガしてない方の手で地面を殴った。



