あの話し方じゃ、春に涼を集団で襲わせたのは、その佐久間だよな。
「佐久間って、一体……」
「アイツは、何かと桜……いや、涼に突っかかって来る他校の男だよ」
眉間にシワを寄せて考え込む遥。
その仕草に胸がモヤモヤした。
なんだろ……嫌な胸騒ぎがする。
「僕は佐久間に雇われて君達を襲った。もちろん、雅がキライだから承知したんだけど」
……雇われて?って、一体どういうことだ?
「母親に引き取られた僕の家はとっても金銭的に困っててね?
金をやるから君達を殺れって。雅も懲らしめられるし、金も手に入るから一石二鳥だろ?って……」
「なんだそれ」
じゃあ佐久間は金銭的に困っている香に漬け込んで、無理やりあたし達を襲わせたってわけ?
そんなやり方って……!
むかつく……!!
痛みも忘れて拳を強く握りしめた。
「佐久間は手段を選ばないからな」