「うざ……」
ドキリと跳ねた心臓。
耳を疑った。昨日も聞いた、黄金の桜と似たような声のトーンだったから。
……いや、だからあり得ねぇーって。
「あ゙ぁ゙?」
「聞こえなかった?うざいって言ったの」
火に油とはこうゆうことだろう。
えらく余裕だな。
怖くねぇのか?
目の前に居る一級品の不良たちが……。
「てめぇ、ふざけんなよ!?」
泉のすぐ目の前に居た体格のいいクロが泉に近寄り、勢い良く殴りかかった。
───でも。そのクロの拳が泉の顔に到達することはなかった。
「なっ……」
クロの拳は泉の手のひらが掴んでいた。
それらはプルプル震えている。
どよめく教室。
ニヤッと口のはしを上げた泉。



